銀座の胡蝶蘭がブランデーに生まれ変わる──花の命をもう一度灯す「LOSS IS MORE」革新プロジェクトとは

銀座の夜を彩る胡蝶蘭。その華やかさの裏で、役目を終えた花たちは静かに捨てられていきます。
そんな“花ロス”の現実に、新しい光を当てるプロジェクトが誕生しました。

株式会社 LOSS IS MORE が手がける「銀座胡蝶蘭ブランデー・プロジェクト」。
贈り物としての胡蝶蘭を、今度は「乾杯の瞬間を彩る一杯」へと生まれ変わらせる革新的な試みです。

「贈る人と贈られる人の想いを、もう一度グラスの中で交わしたい」
この言葉から始まった挑戦は、クラウドファンディングで目標の507%を達成し、多くの共感と注目を集めています。


記事でわかること

  • 銀座の胡蝶蘭がブランデーとして再生する仕組み
  • フラワーロス問題と銀座特有の贈答文化の背景
  • 胡蝶蘭ブランデーの製造プロセスと品質管理の全貌
  • クラウドファンディングで507%達成した理由
  • 今後の展開とサステナブルビジネスとしての可能性

胡蝶蘭が大量に捨てられる理由と、銀座特有の“フラワーロス問題”

銀座における胡蝶蘭文化

銀座は、日本有数の“贈答文化の街”です。
新店オープン、周年祝い、昇進祝──夜の街では、白く美しい胡蝶蘭が「成功」や「敬意」の象徴として贈られます。

1本あたり1万円〜数万円にもなる高級花ですが、その寿命は短く、数週間で枯れてしまうことが多いのが現実。
飾り終えた後は、管理スペースやコストの問題で多くが処分されてきました。

花ロスの規模感と環境負荷

東京都中央区(銀座周辺)では、年間数万鉢単位で胡蝶蘭が取引されていると言われています。
これらの多くが「使用後廃棄」となるため、

  • 焼却処分に伴うCO₂排出

  • 輸送エネルギー

  • 埋立廃棄物の増加
    など、環境面にも少なからぬ影響を与えています。

そんな中で「胡蝶蘭をブランデーに再生する」というアイデアが、サステナブルな新提案として注目を浴びています。


胡蝶蘭がクラフトブランデーに変わるまで──職人技が生み出す“香る循環”

「花を蒸留する」──それは簡単そうに聞こえますが、実際には繊細な香気と安全性を両立する高度な技術が求められます。
LOSS IS MOREでは、**山梨県・勝沼の老舗ワイナリー「白百合醸造」**と提携し、精密な工程で製造を行っています。

以下は、実際の製造プロセスの全貌です。

工程 内容 特徴・こだわり
回収 銀座のクラブや飲食店から、贈答後の胡蝶蘭を回収 鮮度と状態を維持する専用ルートを確保
選別 花弁を1輪ずつ丁寧に仕分け カビ・変色・農薬痕などを徹底検査
洗浄・乾燥 無害化・香気保持のための前処理 低温乾燥で香りをキープ
漬け込み 選別した花を原酒に浸漬 胡蝶蘭特有の甘く上品な香りを抽出
蒸留 白百合醸造にて低温減圧蒸留 不純物を除きつつ香気成分を保持
ブレンド・熟成 香味バランスを調整し一定期間寝かせる 時間をかけて角の取れたまろやかさに
充填・瓶詰 アルコール度数38%、700ml瓶にて製品化 透明感あるボトルデザインで高級感を演出

完成したブランデーは、胡蝶蘭の上品なフローラルノートが鼻を抜ける、唯一無二の香味を持ちます。
まさに“銀座の夜”をボトルに閉じ込めたような一杯です。


クラウドファンディングで示された共感──わずか1日で100%達成の理由

2025年8月19日〜10月5日に行われたクラウドファンディングでは、
**目標金額100万円に対し、最終的に507万円を調達(達成率507%)**という驚異的な成果を記録。

支援者数は251人、開始からわずか24時間で100%達成という快挙を成し遂げました。

主なリターン内容

支援額 リターン内容 特徴
10,000円 ブランデー1本(700ml) 最も人気の標準コース
13,000円 ブランデー+ジンの飲み比べセット カーネーションを使ったジンとの対比が楽しめる
19,000円 ブランデー2本セット ギフト・贈答向けに好評
80,000円 銀座クラブ「Thea RUNDELL」体験付きセット 非日常体験と限定ボトルをセットに
店舗向けプラン 6〜72本単位の卸提供 飲食店・バーなど業務用需要にも対応

支援が集まった3つの理由

  1. 物語性のある社会的意義
     「捨てられる花を再生させる」というコンセプトが、共感を呼びました。

  2. 限定性・希少性
     胡蝶蘭由来のブランデーという前例のないプロダクト。数量限定という付加価値も支援動機に。

  3. 体験価値の提供
     クラブ入店体験や飲み比べセットなど、商品を“体験”として楽しめる設計。


循環する文化──ブランデーが紡ぐ「想いのリレー」

このプロジェクトの真の価値は、単なる製品開発ではありません。
それは、贈る→飾る→廃棄→再生→乾杯という新しい文化の循環を創り出すこと。

  • 循環型ビジネスモデル:廃棄花を資源化し、経済と環境を両立

  • 贈答文化の継承と再解釈:「贈る想い」をもう一度「飲む体験」へと変換

  • 地域活性化:銀座×山梨の連携による地域経済への波及効果

  • 新たなブランド価値:サステナブル×ラグジュアリーという新しいジャンルの確立

これらが一体となり、**“モノ消費からストーリー消費へ”**という時代の潮流に完璧にマッチしています。


今後の展開:胡蝶蘭から全国の花へ

プロジェクトは、2025年10月以降に商品出荷・一般販売を開始予定。
さらに、LOSS IS MOREは次のような未来像を描いています。

1.全国の花を“酒”に変える構想

  • 北海道のラベンダー

  • 福岡のバラ

  • 沖縄のブーゲンビリア
    など、地域の象徴的な花をクラフトスピリッツとしてアップサイクル。

2.飲食店・ホテルとのコラボ展開

  • 銀座のバーやホテルで限定カクテル提供

  • 花をテーマにしたペアリングディナーイベントの開催

3.海外への輸出・ギフト需要

  • 「日本の贈答文化をボトルに込めたブランデー」として、海外ラグジュアリーマーケットへの進出を検討中。

4.花の回収ネットワークの整備

  • 各地域の花店・式場・企業と連携し、回収から製造までのサステナブルなエコシステムを構築。


まとめ:銀座から世界へ、“想いを飲む文化”が始まる

「花を贈る」ことが当たり前だった時代から、
「花をもう一度味わう」時代へ。

銀座胡蝶蘭ブランデープロジェクトは、
**“捨てられるはずの花を、もう一度人と人をつなぐ存在にする”**という美しいビジョンを掲げています。

それは、単なるアップサイクルではなく、想いを循環させる新しい文化づくり
そして、銀座という街が持つ「贈答文化」を、未来へ引き継ぐ挑戦でもあります。

花の命が、グラスの中で再び輝く──。
この一杯が、サステナブルな未来への乾杯になる。

記事監修者

CEO鉢嶺祐矢

銀座のナイトワーク業界で一線を画す存在として知られる株式会社ZENNO GROUPの代表取締役。銀座の高級クラブで14年間にわたり黒服として活躍し、その経験をもとに業界向けのさまざまなサービスを提供。非効率な業務体系を改善するため、株式会社ZENNO GROUPを創業し、業界の発展に貢献している。

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