キャンピングカー同伴 ── 銀座のホステスたちと、南房総の楽園プールへ

「移動から、もう遊びだ」

そう言って鉢嶺が用意したのは、なんとキャンピングカー。銀座のホステスたちを乗せて向かった先は、都心から車で約70分、千葉・南房総の高台にそびえる楽園リゾートだった。同伴といえば銀座の近くで食事が定番だが、この男の場合、まず前提から違う。

BOTANICAL POOL CLUB ── 300種の植物に囲まれた、南国リゾート

目的地は、千葉県鋸南町にある「BOTANICAL POOL CLUB(ボタニカル プール クラブ)」。2023年8月に“プールクラブ”をテーマにオープンした、一年中屋外で温水プールを楽しめるリゾートホテルだ。都心から車で約70分という好アクセスながら、一歩足を踏み入れれば、そこはもう別世界である。

宿泊者だけに開かれた一本道を丘の頂上まで登ると、総面積約1万平米の広大な敷地に、ヤシの木を中心とした300種以上の個性豊かな植物が生い茂る。まるでジャングルに迷い込んだかのような非日常空間だ。

館内には全長40メートルのインフィニティプール「BLACK POOL」と、中央で炎が揺れる円形の「SIGNATURE POOL」があり、どちらも温水仕様。青い海を見下ろしながら泳ぎ、夕刻には水平線に沈むサンセット、夜には満天の星空とプールサイドの炎に酔いしれる——という、これでもかと欲張った作りになっている。

さらに、この施設にはサウナも用意されている。ジャグジーや外気浴スペースを備えた「SWEAT LODGE」と、プールサイドでボタニカルビューを楽しめる「SWEAT BOX」の2種類。ジャングルを描いたアートサウナで整えたあと、太古の植物が立ち並ぶ外気浴スペースで涼む、という体験まで揃っている。

プールサイドバーではシャンパンやオリジナルカクテルも楽しめる。要するに、映える。とにかく映える。銀座のホステスたちが黙って見過ごすはずのない場所だった。

そもそも、なぜキャンピングカーなのか

ここで疑問が湧く。なぜ、キャンピングカーなのか。

答えは単純で、鉢嶺が「その方が面白いから」だ。目的地に着くまでの70分も遊びに変えてしまおうという、いつもの発想である。車内でホステスたちと賑やかに過ごしながら南房総を目指す道中は、それ自体がすでに一つのイベント。銀座の店の中とはまるで違う、開放的な空気が流れていたことは想像に難くない。

「これなら、着く前から楽しいだろ」

得意げな鉢嶺だったが、ホステスたちのお目当ては、この時点ですでに車ではなく、その先に待つ映えプールに向いていたのは言うまでもない。

楽園にて、主役はやはり彼女たち

リゾートに到着すると、ホステスたちのテンションは一気に最高潮に達した。ヤシの木、インフィニティプール、南国の花々——どこを切り取っても絵になる空間に、次々とカメラを向けていく。プールサイドで飲み物を片手に、思い思いのポーズ。楽園はあっという間に、彼女たちの撮影スタジオと化した。

鉢嶺はといえば、その様子を少し離れたデッキチェアから眺めている。同伴の主催者でありながら、気づけば完全に脇役だ。だが、それでいい。楽しそうな彼女たちを眺めながらグラスを傾ける——この構図こそ、夜の世界で長くやってきた男の心得というものである。

もちろん、サウナも一行の目当てのひとつだった。大きなガラス張りのサウナでたっぷり汗をかき、外気浴スペースで海風に吹かれて整う。銀座の喧騒から遠く離れた場所で汗を流すというのも、なかなか乙なものである。

沈みゆく夕日が海を染め、やがて夜が訪れると、プールサイドに灯る炎が幻想的に揺れる。

昼の華やかさとはまた違う、静かで贅沢な時間。さすがのホステスたちも、この光景の前ではしばし無言になっていた。

締めはやっぱり、銀座で

たっぷり遊び、汗を流し、一行は帰路についた。とはいえ、これで終わらないのが同伴というものである。南房総から銀座へととんぼ返りし、鉢嶺はホステスたちの働くクラブへ。

昼間はプールサイドで水着だった彼女たちが、店ではドレスをまとって迎える。同じ顔ぶれのはずが、場所が変わればまるで別人のよう。その切り替わりの鮮やかさに、鉢嶺は改めて感心する。

テーブルでグラスを傾けながら、「昼のプールも良かったが、やはりこの空気も落ち着く」と、すっかり銀座の男の顔に戻っていた。楽園で始まった一日は、結局いつもの銀座で締めくくられた。

まとめ

キャンピングカーで繰り出し、南房総の楽園でプールとサウナとサンセットと星空を堪能し、最後は銀座のクラブで締める。同伴の概念を軽々と飛び越えた一日は、移動から締めくくりまで、まるごと非日常だった。

主役の座はいつも通りホステスたちに譲り、鉢嶺は終始ご満悦。次はどんな乗り物で、どこへ繰り出すのか。この男の同伴は、行き先より「どう行くか」がいつも面白い。