
2025年4月13日早朝。大阪湾に浮かぶ人工島「夢洲」は、雨と風の入り混じる不穏な空の下、静かにその幕を上げようとしていました。
「さあ、行ってみようか。未来がそこにあるなら、確かめたい」
鉢嶺は傘を手にタクシーへと乗り込みました。
目指すは「大阪・関西万博2025」。55年ぶりに大阪で開催される万博——テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。彼が向かうのは、技術と文化が交錯する“未来社会の実験場”でした。
▼この記事でわかること
- 万博アクセスのリアルと日本社会の課題
- テクノロジーとやさしさが融合した建築「大屋根リング」
- セブンイレブンの未来型店舗で見た食と接客の進化
- 性の多様性に対応したオールジェンダートイレの設計と現実
- Adoライブが描いた“記憶に残すエンタメ”という新体験
【会場までの試練】未来を目指す道のりが、すでにひとつの体験だった
迷い道のタクシー:道案内の“アナログな混乱”

「夢洲…万博会場までお願いします」
それだけを告げて乗ったはずのタクシー。だが、ベテラン運転手が口にしたのは「え?あそこ、行ったことないな…」という不安なひと言でした。
ナビの案内通りに進んでも通行止め。行けども行けども標識も少なく、P&R(パーク&ライド)ポイントも見つけづらい。Googleマップとにらめっこしながら進む鉢嶺の車内には、静かに焦りと興奮が混ざり合っていました。
「このアクセスの混乱も、ある意味“今の日本”を象徴してる気がしたよ」
これは決してただの不満ではありません。むしろ、「理想を掲げる一方で、現実の足元が整っていない」という構造的な問題への気づきだったのです。最新技術が並ぶ会場とは対照的に、その入口となる交通や案内体制は混乱気味。“未来”を語る前に“今”をどう整えるか——そのギャップこそ、鉢嶺が感じたリアルな課題でした。
※Googleマップが開きます。タクシーなどでお困りの際はお使いください
【万博の玄関口】色とりどりの国旗が心を揺さぶる
会場西ゲートの前に立った瞬間、鉢嶺の目に飛び込んできたのは、世界中の国旗が一斉に掲揚された壮観な景色。
「うわ…本当に世界中がここに集まってるんだな」
胸の奥から熱いものが込み上げてきたその感覚。それは、テレビやネットでは決して味わえない“現地の鼓動”でした。
万博会場|巨大なのに優しい—
—大屋根リングに感じた「人間中心の未来」
夢洲の中心にそびえる巨大な木造建築「大屋根リング」。直径675mというスケールに、鉢嶺も思わず見上げました。
「これだけ巨大でも、どこか優しさがあるんだよな。これが“人間中心の社会”ってやつか」
通常、これほどの構造物は圧迫感や冷たさを感じさせるものですが、このリングには木の温もりと自然との調和があり、どこか“包まれるような安心感”がありました。
「Society5.0」が掲げる“人に優しい未来”を、建築そのものが体現している。
鉢嶺が感じたのは、スケールとデザインが見事に融合した、テクノロジーよりも人を中心に据えた社会のヒントでした。
世界が集う、未来の縮図—
—パビリオンで感じた多様な“らしさ”
万博の醍醐味といえば、やはり世界各国が競い合うように展示するパビリオンの数々。
鉢嶺が会場を歩く中でも、最も目を引かれたのがこの“未来の建築群”でした。
それぞれのパビリオンは、その国の文化・技術・思想を映す“顔”のような存在。
建築デザインはもちろん、展示の内容にも強いメッセージ性が込められており、ただ見るだけでなく「その国の未来観」に触れることができる空間です。
「ああ、これは“国ごとの価値観”を建築で翻訳したような場所なんだな」
そう鉢嶺が感じたように、アート、環境、科学、教育、宇宙、医療、ジェンダー…と、テーマは多岐にわたります。
国内外のパビリオンには、NTTや三菱、パソナ、そして実物大ガンダムが展示される「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」など、日本の民間企業が技術力を示す場もあれば、アメリカの月面探査やドイツの環境技術、フランスの芸術的演出など、海外の先端文化と思想も凝縮されています。
鉢嶺が訪れた初日と2日目には、まだ工事中のパビリオンもありましたが、その未完成な姿ですら“建築が立ち上がる瞬間のエネルギー”を感じさせてくれたと言います。
「ここには、“世界が目指す未来”がリアルに建っている気がした」
世界の多様な国と企業が、それぞれのアプローチで描いた未来像。
それらが一つの島に集まって共存している様子は、まさに「人類のコラボレーションそのもの」でした。
セブンイレブンが仕掛ける「未来型店舗」—
—焼き鳥で感じたリアルな驚き
会場内で鉢嶺が足を止めたのは、未来型コンビニとして注目を集めるセブンイレブン。
「西ゲート店」と「ウォータープラザ店」は、2030年を想定して設計された実験的な2店舗です。
「なんだこの香ばしい香りは…?」

焼き鳥やピザを店内で焼き上げる“できたて”重視の空間に、思わず引き寄せられた鉢嶺。
巨大なサイネージに表示されたメニューを見ながら、焼き鳥を一口。
「これ、街中でやったら普通に繁盛店じゃない?」
体験型の食空間と、万博限定のパッケージデザイン。未来の食とブランドのあり方を実感できる場でした。
ロボットが「いらっしゃいませ」—
—接客の未来に触れる瞬間
焼き鳥の余韻が残る中、店内を歩く鉢嶺の前に、突如“話しかけてくるロボット”が登場。
「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」
人間の顔が表示されたパネル越しに応対するこのロボットは、遠隔接続で動くリモート接客型。自然な会話に、鉢嶺は驚きを隠せませんでした。
「これって…接客業のあり方そのものが変わるかもしれないな」
ただの便利さじゃない——
ロボットを通して感じたのは、“人がいる”という安心感と、“いなくても届く”という柔軟性の両立。
働き方の選択肢が広がり、人手不足の解消にもつながる。
都市と地方、現場と遠隔がつながることで、サービスの質も維持できる。
「これが“テクノロジーが人を助ける”ってことなんだな」
テクノロジーと人が無理なく共存し、支え合う未来。
その可能性を、思いがけずコンビニの中で、鉢嶺は体感していました。
技術だけじゃない—
—文化の変化が見えたオールジェンダートイレの存在
未来型コンビニでテクノロジーの進化を体感したあと、鉢嶺がふと足を止めたのは、会場のトイレでした。
そこにあったのは、性別の区別なく誰でも使える「オールジェンダートイレ」。
「未来って、技術だけじゃなくて“人の気持ち”も変えるんだな」
静かにそう呟きながら、鉢嶺はその空間の構造を観察します。

会場に設置されたトイレ46カ所のうち、18カ所(約4割)に計112台ものオールジェンダートイレが用意されているという事実。
その構造は、入口を入ると左右に個室トイレが並び、中央には共用の洗面スペース。さらに奥には男性用の小便器——というつくり。
そして、共用に抵抗のある女性のために、洗面台付きの女性専用個室が3室備えられているという配慮もされていました。
こうした設計は、SDGsの理念を背景に、LGBTQ+など性的少数者への配慮として導入されたもの。
加えて、女性用トイレの混雑緩和という現実的な利点もあります。
とはいえ、利用者の反応は一様ではありません。
「混雑してない限り、男女共用は避けたい」「慣れていないから抵抗がある」といった声も一定数あり、特に日本の女性からの慎重な意見も目立ちます。
一方で、男性や一部の訪日外国人は気兼ねなく利用しており、文化や感覚の違いも浮き彫りになっています。
「すべての人に完全に受け入れられるには、時間が必要。でも、まず“選べる”ことが大事だよな」
鉢嶺はそう思いながら、未来の社会がどうあるべきかを静かに考えました。
技術だけでなく、価値観の多様化と向き合うこと—
—それも「未来社会のデザイン」に欠かせない要素だと、改めて感じた瞬間でした。
万博グッズが引き起こす“即プレミア現象”—
—鉢嶺が見た、文化と経済の新たな関係
会場の物販ブースは、朝から長蛇の列。万博限定のICOCA、たまごっち、サンリオとのコラボグッズなどが所狭しと並び、熱気を帯びていました。
その中で、鉢嶺の目に留まったのは、買ったばかりの商品をスマホで撮影し、出品している来場者の姿。
画面を見ると、驚くことにその商品はすでに定価の2〜5倍の値段でフリマアプリに出品されており、次々と売れている様子が確認できました。
「たった今手に入れた“体験”が、もう“価値”に変わっているんだな」
購入=体験、体験=資産へ
この万博で展開されていたのは、単なるモノの販売ではなく、「文化的共感と希少性」によって生まれる体験型消費の最先端。
買うこと自体がイベントであり、その記憶が資本となって動き出す——それはまさに“文化資本が即経済資本へと転換する”瞬間でした。
鉢嶺は、そうした現象を静かに見つめながら、ある可能性に思い至ります。
「銀座もこういう“瞬間価値”の仕掛けがあってもいい。限定性、参加感、リアルとデジタルの連動…うまく設計すれば、新しい体験経済が生まれるかもしれない」
でも…「誰かに届くべき価値」が届かないこともある
一方で、鉢嶺の心に少しだけ引っかかったものもありました。
本当に欲しい人の手に渡る前に、転売目的でグッズが買い占められてしまう現実。

「文化って、誰かの心にちゃんと届いてこそ意味があるんじゃないか」
万博が目指す“共創”や“共感”の精神と、過度な転売の熱狂との間にあるズレ。
そこには未来の体験設計における、繊細なバランスが必要だと感じたのです。
鉢嶺一行のお買い物

物販ブースを歩きながら、鉢嶺の手にはいつの間にかいくつもの紙袋。気づけば20万円以上の買い物に。
「これ、未来の自分へのおみやげってことで」
会場で感じた熱気や感動を“形”として残しておきたい——その想いが自然と購買行動につながっていました。
「グッズじゃなくて、“あの瞬間の気持ち”を持って帰ってる感じ」
それは、いつかこの日を思い返すための、静かな記憶のストックでもあるのです。
【Adoライブ】雨を越える歌声、心が震えた夜

大阪万博の夜。
時計が19時45分を回ると、会場の空気が一気に静まり返り、光がステージを照らし出す。その瞬間、Adoのライブが始まりました。
圧倒的な歌声、観客の心を揺さぶるパフォーマンス、息をのむような演出。
まるで雨も音楽の一部に感じられるほど、ライブ会場の一体感は想像以上。
その場にいた鉢嶺は、ただただ圧倒されながら、未来のエンタメの力を全身で感じていました。
「雨でも関係なかった。あれは、未来のエンタメだったよ」
"ライブは記憶に刻むもの"—
—禁止の先に残る想い
万博のライブ会場は、Adoのパフォーマンス中はもちろん、開演前も終了後も撮影・録音はすべて禁止。
※参考:Expo2025 大阪・関西万博_Ado OPENING SPECIAL LIVE
鉢嶺もスマホをポケットにしまい、ステージのすべてを“自分の目と心で焼き付ける”ことに集中しました。やがてライブが終わると、会場の空に花火が打ち上がりました。

※会場は撮影禁止のため画像はイメージです
大阪・関西万博 Adoオープニングスペシャルライブのセットリスト
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新時代
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逆光
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うっせぇわ
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レディメイド
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クラクラ
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ギラギラ
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マザーランド
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Tot Musica
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風のゆくえ
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唱
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踊(アンコール)
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開催日:2025年4月13日(日)
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会場:EXPOアリーナ「Matsuri」(大阪府)
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開場/開演:18:00 開場 / 19:45 開演
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最大収容人数:16,000人
ライブ終了と同時に夜空に花火が打ち上がり、万博初日のクライマックスを彩りました。
Adoは自身のSNSでこう綴っています。
「皆さんと最高のオープニングを作ることが出来て、本当に幸せな時間でした!ミャクミャク!」
その花火の瞬間を撮影した映像はSNSにも投稿され、記録としては残らなかったライブの“余韻”として、多くの人の心に今も息づいています。
エピローグ:未来の景色を、銀座にも
鉢嶺が銀座に戻った翌日、チームとのミーティングでこう語りました。
「あの万博で見たものを、銀座でも実現できるはず。変化を恐れず、次の街づくりを考えたい」
大阪万博2025は「未来の試着室」だった
最後に鉢嶺が心に残った万博の噴水ショーの動画を載せます。
万博は、展示会ではなく“未来との対話”。鉢嶺が歩いたその道のりは、テクノロジーと文化、そして人の思いが交差する場所でした。
| 見どころ | 体験内容 |
|---|---|
| 大屋根リング | 巨大木造建築による空間体験 |
| セブンイレブン | 調理・遠隔接客の未来型コンビニ |
| 噴水ショー | テクノロジー×エンタメの没入空間 |
| 物販 | 即価値転換する“未来の資産” |
| Adoライブ | 心を揺さぶるエンタメ体験 |
この記事のまとめ:未来は、すでに始まっている
2025年の大阪・関西万博で鉢嶺が体験したのは、単なる技術や展示の数々ではなく、“人がどう未来と向き合うか”という問いかけそのものでした。
巨大な木造リングに包まれる優しさ。
コンビニが進化する驚き。
ロボットとの自然な対話。
性の多様性に寄り添うトイレ。
文化が経済に変わる物販体験。
そして、記憶に残すしかないAdoのライブ。
どれもが、“未来はどこか遠くにあるもの”ではなく、今この瞬間から始まっていることを感じさせてくれるものでした。
鉢嶺が銀座に戻って語った「変化を恐れず、街づくりを考えたい」という一言は、この万博での気づきをそのまま表しています。
大阪万博2025は、未来の社会を“試着”できる場所。
そして、誰もがそこに参加し、自分なりの「未来との関わり方」を見つけられる場所です。
① テクノロジーにワクワクする人
AIやロボット、リモート接客、未来のコンビニなど、最新技術をリアルに体験したい人にはまさに最適の空間。
② 多様性や共生のあり方に関心がある人
オールジェンダートイレや国際色豊かなパビリオンなど、“文化の多様性”を肌で感じられる貴重な機会です。
③ 子どもと一緒に未来を学びたい家族
Society5.0を体感できる展示や、遊びながら学べるコンテンツも充実。家族での学びの旅にぴったり。
④ アートやデザインに感動したい人
建築・インスタレーション・光と水のショーなど、“未来の美”があらゆる形で表現されています。
⑤ ビジネスや街づくりのヒントを探している人
未来の消費行動、都市設計、商業の進化…。企業関係者や地方創生に関心のある方にも、大きな学びがあります。
記事監修者
CEO鉢嶺祐矢

銀座のナイトワーク業界で一線を画す存在として知られる株式会社ZENNO GROUPの代表取締役。銀座の高級クラブで14年間にわたり黒服として活躍し、その経験をもとに業界向けのさまざまなサービスを提供。非効率な業務体系を改善するため、株式会社ZENNO GROUPを創業し、業界の発展に貢献している。
鉢嶺祐矢のSNSと関連リンク
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