
「ラーメンで同伴って、成立するんですか?」
その一言から始まった今回の夜。
向かった先は、ただの飲食店ではない。
地下に広がる“昭和”——
新横浜ラーメン博物館だった。
新横浜ラーメン博物館とは

新横浜ラーメン博物館
1994年にオープンした、世界初のフードアミューズメントパーク。
1階部分のギャラリーには、全国から集められたラーメン雑誌や有名店の丼をはじめ、日本におけるラーメン文化のすべてを学べる展示が大量に並んでいる。

さらに地下空間には、1958年の昭和の街並みが再現されている。
この年は、日清のチキンラーメンが誕生した年。
つまり“インスタントラーメン元年”。
館内には常設で全国の有名ラーメン店が約8店舗。
さらに「ラー博Limited」として、期間限定で国内外の名店が出店する。
「ラーメンっていうより、文化施設ですね」
ホステスの感想は的確だった。
昭和の街を歩く

地下へ降りると、空気が変わる。
夕焼けの空。
古い看板。
駄菓子屋の灯り。
「これ、作り物なのに懐かしいですね」
「記憶にないはずの時代なのにな」
鉢嶺も珍しく素直に反応する。
駄菓子屋では実際に商品も購入できる。
瓶ラムネや水あめなど、見ているだけで懐かしい気持ちになる商品ばかりだ。

「これ、子供の頃に…って言いたいですけど知らないです」
「雰囲気だけで喋ってるでしょ?」
軽いやり取りすら、どこかノスタルジックになる。
博多一双、濃厚すぎる一杯

今回選んだのは
『博多一双』の豚骨ラーメン。
白濁したスープ。
泡立つ濃厚さ。
「これ、すごい匂いですね」
「これが“本物”だ」
一口。
「……重いですね」
「褒めてる?」
濃厚、だが雑ではない。
旨味が押し寄せる。
細麺がスープを持ち上げるたび、
会話が少し止まる。
スゴメンラボという遊び場

食後、向かったのは
スゴメンラボ。
ここではオリジナルのカップラーメンを作ることができる。
・スープの種類
・具材
・パッケージデザイン
すべて自分で選ぶ。
「センス出ますよ、これ」
ホステスが笑う。
鉢嶺の選択は——
なぜか全部“濃い系”。
「統一感だ」
「ただの好みですよね」
完成したカップ麺を手に、少し満足げな表情。
ラーメンと同伴の相性
酒ではなく、ラーメン。
高級店ではなく、テーマパーク。
だが不思議と成立している。
・歩く
・選ぶ
・食べる
会話のきっかけが自然に生まれる。
「こういう同伴も、ありですね」
ホステスが言う。
「たまにはな」
珍しく、肯定が早い。
夜は続く

昭和の街を抜け、現実へ戻る。
そのまま、ホステスの働く店へ。
ラーメンの余韻を残したまま、
夜は次のステージへ移る。
今回の夜の正体
ラーメン博物館は、
“食べる場所”ではなく、体験する場所だ。
時代、文化、味。
すべてが一つにまとまっている。
そしてこの夜、
同伴の形も少しだけ広がった。
「次はどこ行きます?」
「……軽めでいこう」
その言葉に、少しだけ現実が戻っていた。